模擬患者(SP)とは

 模擬患者とは、実際の患者と同じような症状や会話を再現できる患者役を演じる人のことをいいます。模擬患者が薬学教育に参加する場面は2種類あり、ひとつは「教育」であり[模擬患者(Simulated Patient)]として、もうひとつは「試験」で[標準模擬患者(Standardized Patient)]としてです。

 

 

模擬患者(Simulated Patient)

 模擬患者は薬剤師役の学生の前であらかじめ作成されたシナリオに基づいて患者役を演じ、実際の患者と同じように症状を話したり質問に答えたりします。自由度が高く、難易度は自由に設定でき、学部でのコミュニケーション授業などで活躍します。

 

標準模擬患者(Standardized Patient)

 標準模擬患者は試験や評価に利用できるように患者像を一定のレベルで標準化、マニュアル化して演じるものです。比較的短時間で、課題を限定して細かくチェックでき、薬学共用試験OSCEでは標準模擬患者が活躍します。

 

 

 

 模擬患者のことを「SP」と言うことがありますが、これはSimulated Patient(模擬患者)の頭文字"S"と"P"をとって略したものです。また同じSPといっても、Standardized Patient(標準模擬患者)を指す場合もあります。通常は、模擬患者と標準模擬患者の両方の意味でSPと言っています。